BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

マンゴスチン(2)(フクギ科)

Garcinia mangostana L.

マンゴスチン(2)

8月に紹介した(LINK)、マンゴスチンの続報です。

2025年7月13日に開花を確認したマンゴスチンはいくつか落下したり行方不明になったりしたものの、4つが大きくなりました。最初に色づいたのは、南側に結実した2つです。成熟度合いを見極めるのは難しいですが、新鮮なうちに食するのが良いとのことからブルーベリーに似た濃い青紫に色づいた2025年11月6日に収穫しました。開花確認時点で既に花弁が落下していたので正確な開花日はわかりませんが7月10日から12日頃と仮定すると、収穫まで118日前後かかったことになります。

果実の大きさは直径4~5cm、重さ25~48gで東南アジアの本場で見るものよりも小さいですが、中の果肉のBrix糖度は18%前後で本場と同程度でした。試食を行うと、本場で食べたときの味を思い出す、やや甘酸っぱくてえぐみのない、さわやかな甘味を味わうことができました。大きい方の果実からは種子1個が得られたのでその日の内に播種しました。

マンゴスチンの開花は沖縄地方を除いて本州の植物園での開花は4例目のようです。また沖縄も含めて、マンゴスチン開花のニュースはインターネットで見つけることができますが、収穫した果実がどのようなものだったかまで明らかなものはありませんでした。今回の収穫で、日本の温室で開花すると収穫まで120日程度かかること、果実は小さいけれども糖度や味は本場と遜色ないという一例が得られました。今後、マンゴスチン栽培に挑戦される方や開花に成功した方の参考となれば幸いです。

大きい方の果実

果実断面

大きい方の果実から得られた種子