


クラスタマメはインドが原産で、東南アジアからアフリカの各地で栽培される一年生または多年生の草本です。属名はギリシア語のcyamos(豆)とopsis(~に見える、見た目)を合成したものです。種形容語はギリシア語のtetragonon(四角形)とラテン語のlobus(莢)で、莢が四角柱状になることに由来します。
クラスタマメは原産地では草丈2~3mになります。当資料館でプランター栽培をすると1m程度に伸びました。互生する葉は長さがおよそ15cmで3小葉です。1つの小葉の長さは5~8cmくらいです。葉腋から長さ15cmくらいの花序を出し、多数の花をつけます。一つの花は長さ1cmくらいで桃色をしています。朝見ると竜骨弁が閉じたマメ科らしい蝶形花をしていますが、いつの間にか竜骨弁が左右に開いて蕊を露出していることが多いです。莢果は太さ1cm長さ5cmくらいで多数つけます。花序にたくさんの莢がついて束状になることから、クラスタマメ、cluster beanと呼ばれます。
クラスタマメは茎葉を飼料とし、またホウレンソウのように野菜として食べられます。豆は加熱してカレーなどに入れられます。
クラスタマメはインドではグアー(guar)と呼ばれます。グアーの種子(豆)を加工精製して得られる多糖がグアーガム(guar gum)です。グアーガムはマンノースとガラクトースが2:1で結合した構造をしています。グアーガムは原産地であるインドで最も多く生産されており、世界の生産量の8割を占めています。グアーガムは増粘剤、安定剤、ゲル化剤の働きを持ち食品添加物として広く使われています。またグアーガムをさらに加工、変性させることで化粧品原料や界面活性剤として様々な工業分野で利用されます。