BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ダンドク(カンナ科)

Canna indica L.

ダンドク

ダンドクは熱帯アメリカ原産のカンナ科の植物で、コロンブスがアメリカを発見した後、タバコ、マリーゴールド、ヒマワリと共に16世紀中にはやばやとヨーロッパに導入された植物のひとつです。日本には江戸時代初期に入ってきましたが、現在では薩南諸島から沖縄まで分布しています。古くから広くアジアなどで栽培されてきた植物ですが、広範囲で野生化しています。

カンナと言えば、鑑賞用に各地で栽培されて夏から秋に様々な鮮やかな色彩で大きな花を見ることができますが、一般的に栽培される鑑賞用カンナは、ダンドクを主に、いくつかの野生種と人工交雑させて作出されました。今では種間交雑によって1000種を超える園芸品種が作出されています。

草丈1mほどで茎は円柱状で直立し、長さ30~40cmの葉を互生して出します。葉は卵状の楕円形で基部は楔形となり、葉鞘になって茎を包み込みます。葉は厚みがあり光沢を帯びています。鑑賞用園芸種と異なり、頂生する5cmほどの簡素な花が夏から秋に総状花序となって開花します。熱帯では周年開花しますので、年中見かけることができます。

花は、赤色から黄色の花弁化した雄しべが3個あり、そのうち1個に葯がつきます。さらに1個は反り返って唇弁になります。稔性があって、直径3cmほどの球状のさく果をつけます。

中国では美人蕉と呼ばれ、花を止血薬とし、根茎を急性黄疸型伝染性肝炎、喀血、白帯、月経不順などに使用するそうです。