チガヤ(Imperata cylindrica)といえば、開けた陽のあたる空き地や河川の堤防などによく群生するイネ科の多年草で、欧州、北アフリカ、北アメリカオーストラリア、アジアと広く分布しています。
茎は直立して30~80cmくらいになり、白色で節のある根茎を地中に長く横にはわせます。茎には毛のある節を持ち、葉は2~3枚で長さは20~40cm、巾10mmほどの線形で先端はとがっています。
草丈は30~80cm程度で、5月から6月に花茎を出し、茎の頂に10~20cmの円錐状の花序をつけます。白毛が密生して生えるので、これを詰めものにしたり、火口としても利用されてきました。まだ葉鞘内にある若い花序は甘味があり、ツバナといって食べることもできます。
長い根茎を11月頃に掘り取って洗浄後にひげ根を取り去って乾燥させたものを「茅根(ボウコン)」といい、生薬になります。現行の日本薬局方にも収載される繁用生薬で、「(チガヤの)細根及びりん片葉をほとんど除いた根茎」として規定されています。
利尿作用、出血短縮作用、抗炎症作用、鎮痛作用、解毒作用、抗菌作用など多くの薬効が認めらており、急性腎炎にも効果があるとされています。
民間療法的に、利尿、止血、浮腫の治療、解熱、血尿治療に用いられています。
化学成分としてはシリンドリン、アルンドイン、フェルネノール、シミアレノールなどのトリテルペン類のほか、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸などの有機酸を含むことが知られています。