地中海沿岸原産のつる性の多年生草本です。日本では薬用植物園などでは一年草として栽培されています。熟した果 実から種子が勢いよく噴出することから「鉄砲瓜」とよばれています。
植物体全体に粗い毛が密生し、多肉質で地をはって拡がりますが、巻きひげはありません。花は写 真のように雌花と雄花があり、どちらも直径3cm位で、黄色い釣り鐘形です。
長楕円形の果実は、長さ7cm位でたくさんの粗い毛に被われています。果実は黄色く熟し、触れたりすると柄から離れます。この時、柄のとれた穴から茶色の種子と透明な果 汁を瞬間的に勢いよく射出します。一瞬のことでどれくらい種子が飛ぶのか分かりにくいのですが、図鑑によると2mとも、10mとも記載されています。
果肉や果汁はたいへん苦く、強い下剤として用いられ、ギリシャ時代からエラテリウム(elaterium)とよばれる薬として知られています。この果 実に含まれているククルビタシンE(cucurbitacin E)は、抗腫瘍活性があると同時に細胞毒性をもつことが知られています。