BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

クシフィディウム・カエルレウム(ハエモドルム科)

Xiphidium caeruleum Aubl.

クシフィディウム・カエルレウム

クシフィディウム・カエルレウムは中南米原産の小形の多年草です。学名の Xiphidium は「剣に似た」という意味で、葉の形からきています。 caeruleum は「青色の」という意味で、葉が青みがかるところからだと思われます。クシフィディウム・カエルレウムが属するハエモドルム科は、聞き慣れない名前ですがオーストラリアやニューギニア、南アフリカ、南米、北米東部に分布する植物群です。奇妙な形の切り花や鉢物として売られている、「カンガルー・ポー Anigozanthos manglesii 」はオーストラリア原産のハエモドルム科の一つです。

初めはトウツルモドキの名前で導入されましたが、つるの伸びてくる気配はなく、全く別ものであることは明らかでした。ユリ科かアヤメ科の植物ではないかと思っていましたが、花が咲いたので調べたところ実際はカンガルー・ポーの仲間でした。クシフィディウム・カエルレウムの花はカンガルー・ポーのように筒型にならず、また毛もあまり生えていませんが、確かに、一本の花茎が枝分かれして花を付けている所などは、カンガルー・ポーに似ているような気がします。

スリナムでは足のひび割れ治療に、パナマの Bayano Cuna 族は婦人病の治療に用います。その他に、マレーシアに導入されて、庭園の下草として広く利用されています。