BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ペティウェリア・アリアケア(ジュズサンゴ科)

Petiveria alliacea L.

ペティウェリア・アリアケア

ペティウェリア・アリアケアはアメリカ大陸のフロリダからアルゼンチンまで広範囲に分布する高さ50~100cmの草本です。葉は互生し長さ約 5cmの披針形です。根は多くのヤマゴボウ科と同じように肥大します。根元から多数の茎が出て株立ちになり場所を取ることから、温室ではアサガオ用の「あんどん」で囲って育てています。

ペティウェリア・アリアケアの花序は茎の先端に付き、長さ20cmほどになります。花序は総状で先端は垂れます。花は直径0.5cm、花弁は4枚で雄しべは6個、雌しべは1個です。赤紫の花茎に点々と白い花がつく様子は茶花のミズヒキのように目を引きつけるもので、秋から冬の花が乏しい温室を楽しませてくれます。

ペティウェリア・アリアケアは中南米の各地で民間薬として利用されます。単体でまたは他の薬草と組み合わせて、茎葉を利尿、堕胎、解熱や下痢、頭痛、膀胱炎の治療に用いたり、浴剤にして回虫駆除に用いたりします。根も同様に利尿や、膀胱炎、頭痛、水腫、リューマチ、脚気の治療などに用います。しかし根にはアルカロイドを含むため大量に摂取すると中毒をおこすことから、注意深く取り扱われるようです。