モクセイソウは北アフリカに固有の1年草です。属名Resedaはラテン語の「Resedo(癒す)」に由来し、この属の植物が傷や炎症を和らげるのに用いられたことに因みます。種形容語のodorataは「芳香がある」の意味です。和名もこの芳香から、キンモクセイなどのモクセイ(木犀)に因んだものです。
モクセイソウは直立または地を這ってから立ち上がります。草丈は30~40cmになるそうですが、当館のものは鉢植えなので20cmくらいです。葉は楕円形で全縁です。茎の先端に総状花序をつけます。花弁は白色で6枚ありますがあまり目立ちません。葯はオレンジ色です。雌しべははじめは目立ちませんがだんだんと膨らんできて、果実は風船のようになります。
種形容語の通り花には香りがあり、香水用の精油原料として、また鑑賞用に栽培されます。実際に匂いをかいでみますと、たしかに良い香りでした。しかし、キンモクセイなどの香りとは異なり、なんと説明して良いのかわからない「けったいな匂い」です。どうしてもお知りになりたい方は、あと半月くらいは咲いているように思えますので、ぜひ匂いをかぎに来てください。