BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ホホバ(シモンジア科)

Simmondsia chinensis (Link) C.K.Schneid.

ホホバ

ホホバ(jojoba)の花は地味で目立ちませんが、当館では初めて雌花が開花しましたので紹介します。

学名にchinensis(中国の)という種名がつけられていますがメキシコ北部からアメリカ西海岸乾燥地帯原産の常緑低木です。ホホバ(jojoba)の名称もアメリカ先住民の呼称に由来します。シモンジア科にはホホバ1種だけが含まれます。ツゲ科に分類されることもあります。

葉は厚い革質の卵形で柄がなく、各節のところに対生します。この植物は雌雄異株(雄花と雌花が別 の株に咲く)で、雄花も雌花も花弁のない小さな花です。乾燥に強く、氷点下の低温や45℃の高温にも耐え、広い範囲の環境に適応して生育することができます。

ホホバの種子には油脂(液体ロウ)が多く含まれ、その組成が鯨油に似ているためその代用品として注目されています。また、ホホバオイルは皮膚や毛髪の保湿材としても優れた性質を持ち、シャンプー、ヘアリンスや化粧品にも利用されています。ホホバオイルの工業生産のためにアメリカやアフリカの乾燥地で栽培されています。さらに、乾燥に強い性質から砂漠の緑化のために利用する研究も進められています。