ファセオルス・カラカラは中南米原産のインゲンマメ (Phaseolus vulgaris) の仲間です。非常に近縁のササゲ (Vigna unguiculata) ・アズキ (Vigna angularis) の仲間に含められてビグナ・カラカラ (Vigna caracalla) と呼ばれることもあります。種形容語の caracalla は同じ綴りの大浴場で有名な古代ローマ皇帝カラカラとは無関係で、原産地であるベネズエラの首都カラカス (Caracas) に因むものです。
ファセオルス・カラカラは、英名を Snail Flower( カタツムリ花 ) とか、 Corkskrew Flower( コルク抜き花 ) と呼ぶように、螺旋形の花が特徴です。花は葉腋の総状花序に 10 個から 20 個つきます。蕾は大きくなるに従って勾玉形から螺旋を描くようになり、ねじれたまま花を咲かせます。花を分解してみると、雌しべもくるくると丸まっており、巻き貝の殻のようです。
ファセオルス・カラカラは生育が旺盛で、きれいな花もたくさん咲き、良い香りがあるので観賞用に最適なのですが、日本ではなぜか種子をほとんどつけません。これまであまり栽培されてこなかったのもそのためだと思われます。当館でも、 9 月末現在で莢が一つだけです。