BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ダティスカ(ナギナタソウ)(ナギナタソウ科)

Datisca cannabina L.

ダティスカ(ナギナタソウ)

この日本には大麻取締法というものがあって、大麻すなわちアサ(麻)を一般の人達が所持したり、栽培したりすることを禁止しています。大麻を許可なく所持すると5年以下の懲役、栽培すると7年以下の懲役です。又、営利目的で栽培した時は10年以下の懲役ですので、くれぐれも大麻には関わりをもたないようにして下さい。但し、都道府県知事の免許を受けて大麻取扱者になれば、この限りではありません。

さてアサは学名をCannabis sativa と命名されていて、属名のCannabisはギリシャのアサに対する古名Kanbからきています。種形容語のsativaは栽培されているです。今回紹介する植物は学名をDatisca cannabinaといいますが、属名のDatiscaは由来不明です。種形容語のcannabinaはアサのような、です。言い換えれば姿、形がアサに似ているということです。

この植物は雌雄異株ですので種子を採集するためには雌株と雄株の両方が必要です。当館は2個体育てたところ、たまたま雌株(写真上)と雄株(写真下)でしたので、種子を取ることができました。種子といっても非常に小さいもので一円玉との比較(写真下)で、その大きさが分かると思います。小さいといっても繁殖力は旺盛で、春に発芽して夏を過ぎ秋になると草丈は1メートルにもなります。当館のある京都山科でも地上部は枯れますが越冬しますので育生は難しくありません。ただ河川沿いに生育している植物なので水欠乏には極端に弱いので常に灌水を心がける必要があります。野生の分布地はヒマラヤ山麓から地中海沿岸にかけてです。
ダティスカ (ナギナタソウ) の雌花
ダティスカ (ナギナタソウ) の雄花