BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

クラメリア・キストイデア(クラメリア科)

Krameria cistoidea Hook. et Arn.

クラメリア・キストイデア

<盗人のうわまえをはねる>

南米のチリ国の種苗会社より購入した種子を2009年2月23日に播種したところ3月16日以降続々と発芽しました。発芽はしたものの、クラメリア科の植物は乾燥地帯の寄生植物ですので、どのように育てればよいのか悩みました。結局、ビニルシートに覆われた雨のかからない場所に地植えしました。その 横にモクマオウ科のCasuarina cunninghamianaとムクロジ科のブンカンカを寄主として移植しました。もっともクラメリア科の植物が、その2種に寄生するかどうかは‘神のみぞ知る’ですが。

クラメリア科は単型科でクラメリア属だけからなり、南北アメリカの乾燥地帯に16種前後が分布しています。クラメリア・キストイデアはチリ国の中北 部の海岸地帯から高度2,000㍍ぐらいまでの山地に生育しています。年間の降雨量は400~800mmで、少雨の年は100mm前後しか降らないそうで す。

ところで現地の人はクラメリア・キストイデアの果実を食べるそうですが、寄生植物の果実を食用として採取するということは‘盗人のうわまえをはねる’所業のように思いませんか。