ウォレミマツはオーストラリアのシドニーから200kmほど離れた、ウォレマイ国立公園にのみ生息します。現地の成木が100個体に満たない絶滅の危惧される植物です。2億年前の化石が発見されていることから、生きている化石として「ジュラシック・ツリー」の愛称で知られるようになりました。非常に古い植物でありながら人類が認識したのは比較的新しく、1994年に発見されました。
ウォレミマツは主幹から側枝を輪生します。側枝につく葉は細長い披針形で、枝上に4列にならびます。当館のウォレミマツは樹高3.5mほどです。生殖器官は側枝の先端につきます。今回初めて開花したのは雄花で、長さ5~10cm、太さおよそ2cmでした。2017年の8月に出現に気づき、今年の4月になって開花しました。雌雄同株で、雌の球花は雄花よりも上部の側枝につきますが、まだ出てきていません。
当館で栽植のウォレミマツは、2006年に日本植物園協会の大会で配布されたものです。関西の近くの植物園に聞いてみますと、早いところでは昨年あたりから雄花が出現、開花しているようです。ウォレミマツの雄花は6、7月に開催する『春から夏の見学研修会』でご覧いただくこともできますが、遠方の方はお近くの日本植物園協会に所属の植物園で尋ねてみてはいかがでしょうか。