マラバルレモングラス、またはMalabar grassはインドが原産でアフリカや東南アジアでも栽培される多年草です。同じオガルカヤ属(Cymbopogon)にはレモングラスC. citratus (DC.) Stapf、東南アジアから日本にも分布するオガルカヤC. tortilis (J.Presl) A.Camus var. goeringii (Steud.) Hand.-Mazz.の他、以前紹介したパルマロサグラスC. martini (Roxb.) Will.Watson (リンク)などがあります。マラバルレモングラスは東インドレモングラス(East Indian lemon grass)と、レモングラスは西インドレモングラス(West Indian lemon grass)とも呼ばれます。「マラバル」は生産地の一つであるインド西岸の地名ですので、「東インド」と呼ばれるのは不思議な気がします。あるいは「東インド会社」の方の東インドなのかもしれません。

マラバルレモングラスは背丈が2～3mとレモングラスよりも大型になります。レモングラスはほとんど開花しませんが、マラバルレモングラスはより頻繁に開花します。マラバルレモングラスは茎の先端に総状花序を付けます。小さな花には1つの雌しべと3個の雄しべがあります。

マラバルレモングラスはレモングラスと同様に柑橘系の香りが強く、むしろレモングラスよりもシトラールが多く含まれます。レモングラスの様に食材として使われることはなく、専ら葉を蒸留し精油(レモングラス油)を得て、せっけんや化粧品、香水の原料として用いられます。