BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ピタンガ (タチバナアデク)(フトモモ科)

Eugenia uniflora L.

ピタンガ (タチバナアデク)


植物の話あれこれ 7
ブラジルチェリー「ピタンガ」

「ピタンガをもつブラジルはいたずらにヨーロッパのチェリーを羨んではならない。5月ともなればルビー色の果実が枝もたわわに稔るその美しさや味わいは、まさにチェリーをも凌ぐものである。」タバリス神父は、ピタンガについてこのように賞賛している。しかし、おいしい果物に日々接している私たち日本人にはその味はあまり馴染めないようである。

ピタンガ(タチバナアデク)はブラジル原産の熱帯果樹で、世界の熱帯地域各地で栽培されている。花は、写 真のように長い花柄の先に白い小さな香りのよい花を咲かせる。成熟した果実はイチゴのような香りを放ち多汁で軟らかく酸味と甘味があり生食される。果 実は鉄やカルシュームに富みジュースやワインにしたり、ジャムや、ゼリー、シャーベット、アイスクリームの原料にも使われる。

本植物の樹皮は薄く剥がれやすいのであるが、ブラジルではそれを煎じて子供の下痢止めに使われる。葉も茶剤や煎剤として解熱や健胃、リウマチ、発汗に使われる。

(「プランタ」研成社発行より)