種子をコーラナッツ(Cola nut)とよび、コーラ飲料はこの植物名に因みます。
熱帯西アフリカ原産の常緑高木で、高さ10mになります。花は10花以上からなる円錐花序をつくります。花の直径は1.5cm程度で、白い花弁のように見えますがこれは花弁ではなく、萼(がく)です。萼は鐘形で先が5裂し、黄白色で中心部付近が赤紫色になります。雌雄異花(雄花と雌花がある)で、当館の株では雄花だけからなる花序と雄花の中に雌花が混ざった花序がつきました。
果実は褐色で、その中に5から10個の種子を含みます。この種子がコーラナッツです。
アフリカでは古くから興奮剤、強壮剤としてこの種子を生のままビンロウのように噛んで利用してきました。コーラナッツにはコラチン(カフェインの一種)やテオブロミンが含まれます。欧米では薬用として疲労回復に用いられました。19世紀末に考案されたコーラ飲料は現在では世界中に知られています。