BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ヒマラヤハナイカダ(ハナイカダ科)

Helwingia himalaica Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke

ヒマラヤハナイカダ

<ヒマラヤのハナイカダ>

ハナイカダ科ヘルウィンギア(和名:ハナイカダ)属は落葉(まれに常緑)の低木で、日本に1種、ヒマラヤに1種、中国に3種が知られています。本植物はそのうちのヒマラヤハナイカダで、ネパール中部から中国西南部に分布します。

葉は長い楕円状あるいは被針状で、縁にはとげ状の鋸歯があり、5月から6月ごろ緑色あるいは薄く紫色を帯びた花が咲きます。

たいへん特徴的なのはこの花のつき方です。それは、葉の上面の真ん中あたりにまるで乗っかるように1~3個の花をつけることです。これは、もともと葉腋から出た枝の先に咲くはずのものが枝の部分が葉柄と癒合してしまい葉の一部になったためと考えられています。花が終わると、晩夏には赤色の球果ができます。

中国では葉の上に乗っている花や果実の姿から「葉上花」、「葉上珠」と呼んでいますが、日本ではこの姿をいかだ乗りに見たてて、「花筏(はないかだ)」というしゃれた名前がつけられました。

日本のハナイカダ(H.japonica)は、北海道西南部から九州の広い地域の日陰の斜面によく見られるのでご存知の方も多いと思います。葉はヒマライカ種より楕円形で果実は黒く熟します。地方によっては「ママナ」「ママコナ」と呼んで、若芽を食べ、黒い果実も食べられます。

因みにヘルウィンギアという属名は、植物誌を著したドイツの牧師ヘルウィング(G.A.Helwing, 1666-1748)に因んで名づけられています。

また、この植物は雌雄異株ですので、両株揃わないと着果しません。2010年7月現在、当館で植栽しているヒマライカは花の形態から雌株と思われ、赤い果実を見るためには、雄株を探さねばならないようです。