BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ハクラクジュ (ブレッシュネイデラ・シネンシス)(アカニア科)

Bretschneidera sinensis Hemsl.

ハクラクジュ (ブレッシュネイデラ・シネンシス)

<時を経たお見合い>

北半球(中国西南部~ベトナム北部)だけに分布しているブレッシュネイデラ科は1属1種で、ブレッシュネイデラ・シネンシスのみの科です。当館では 2002年以来、毎年のように播種してきましたが、今年(2009年)やっと初めて発芽させることに成功しました。7年間の苦労が報われた思いです。さて この植物は「からし油配糖体」を作ります。葉緑体遺伝子からこの配糖体を作る植物は、ほとんどが共通の祖先から進化したそうです。当館には「からし油配糖体」を作る植物がもう1種あります。アカニア・ルケンス(Akania lucens)です。アカニア・ルケンスは南半球(オーストラリア北東部)だけに分布している1属1種のアカニア科の植物です。「からし油配糖体」から考 えて両者が共通の祖先をもつことは十分可能性があります。(もっとも「からし油配糖体」などと難しいことをいわなくても両者の果実を見れば直感的に共通の 祖先が思い浮かびます)

何千万年前かに共通の祖先から別れた両者は赤道を挟んで、お互い1科で1属1種になり自然界で出会うことがなくなりました。寂しい思いをしていたかもしれない両者が、時を経て日本の京都の山科で再会できたことは感慨深いものであったかもしれません。

左)ハクラクジュBretschneidera sinensis・右)アカニア・ルケンスAkania lucens