BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ネコノツメ(ノウゼンカズラ科)

Macfadyena unguis-cati (L.) A.H.Gentry (Dolichandra unguis-cati (L.) L.G.Lohmann

ネコノツメ

ネコノツメは中央~南アメリカ原産のつる植物です。現在では熱帯各地で広く栽培されています。属名のMacfadyenaは「Flora Jamaica (ジャマイカ植物誌)」を著したスコットランドの植物学者James MacFadyen(1798-1850)に因みます。種形容語のunguis-catiはラテン語で「猫の爪」という意味です。

ネコノツメの葉は対生で、1つの葉は3出複葉(3つ葉のクローバーの形)です。元に近い2つの小葉は楕円形で長さ3cmほどです。名前の由来ともなっている「爪」は先端の小葉が変化したもので、3つに分かれています。この爪が巻きひげとなって壁や枝に引っかかることでつるを伸ばしていきます。爪の長さは1cm程度で非常に小さいので、「猫の爪」というよりも「鼠の手」か「鳥の足」に似ているように思います。

ネコノツメの花は葉の腋に着きます。直径は4~5cmにもなり葉よりもずっと大きいので非常に目立ちます。花の形はラッパ状で、よく栽培されているノウゼンカズラ(Campsis grandiflora)と似ています。

当館で栽培しているネコノツメは温室に植えて10年間、高さ5mまで伸ばしていましたがちっとも花を咲かせませんでした。これを2年前に屋外で地植えにしたところ、あっさりと花を咲かせました。熱帯原産の植物といえども、温室にしまっておくより屋外で栽培した方が良い結果になることもある、というのが栽培のおもしろいところです。