BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ソリチャ(クロウメモドキ科)

Ceanothus americanus L.

ソリチャ

<「独立戦争のとき お茶の代用品にされた ソリチャ」>

ソリチャは北米の東部から中部に分布する高さ 1m ほどの落葉低木です。 6~7月になると、枝先に灰白色の小さな花の集まった円錐花序がつきます。欧米では、ソリチャを庭先などによく植えます。ソリチャの仲間( Ceanothus 属)には園芸品種も数多くあり、青色から桃色まで、様々な花色があります。この中でもソリチャは、最も古くから園芸用に栽培された種で、ソリチャを片親として、多くの品種が作出されました。

今では花木として知られるソリチャですが、アメリカ先住民は、この植物の若葉をお茶として飲んだり、根を薬用として、発熱やのどの痛みに用いていました。ある部族は、この根から作ったローションを皮膚癌の治療に用いたという記録もあります。

さらに、アメリカ独立戦争で、アメリカへの紅茶の輸入がストップしたとき、代わりにお茶として利用されたのが、この植物です。ソリチャは英名で、アメリカ東部の州の名をとって、ニュージャージーティー(New Jersey Tea)といいます。しかしながら、今ではあまりお茶としての利用はないようです。