シマムラサキツユクサは中央アメリカ(南メキシコからパナマ)および南アメリカ(コロンビアからペルー)が原産のほふく性の多年草です。茎や葉に紫の縞が入り美しく、日なたでも日陰でもよく育つことからグランドカバーや吊り鉢などにして世界中で栽培されています。ムラサキツユクサ(Tradescantia ohiensis)とは、同じ属とする方が最近は主流のようですが、当資料館では別属として扱っています。Zebrina属は、花弁の基部が合着し筒状となる点でTradescantia属と区別されます。
シマムラサキツユクサの花は直径1cm程度と小形の、昼前から夕方まで咲く1日花です。雄しべの花糸には細かな毛が生えています。よく観察すると、葯は花糸に対して丁字についており、花粉は葯の両端にあります。意外に面白い造形です。
シマムラサキツユクサは中南米の各地で民間薬として利用されます。茎葉の煎じ汁は糖尿病に効果があり、速やかに血糖値を下げると言われています。また、体内の止血や顔面神経痛の鎮痛にも用いられます。中国では「吊竹梅」と呼び、止血、利尿薬として帯下、淋病、ライ病に用います。