キランジソは一般に「コリウス」の名前で親しまれている園芸植物です。東南アジア(一説にはジャワ島)が原産で、世界各地の熱帯~温帯で栽培されています。日本では冬の寒さで枯れてしまう1年草ですが、温暖な地域では多年草として扱われます。日本でも温室や室内などで5~10℃以上の温度があれば越冬します。
和名のキランジソは漢字で書くと「金襴紫蘇」で、キンランジソとも呼びます。他にニシキジソ(錦紫蘇)やサヤバナ(鞘花)などの別名もあります。キラン(キンラン)やニシキは美しい葉の模様に、サヤは花の形に因むものです。学名も多くの異名が知られています。以前はColeus blumei Benth.を充てるのが一般的でした。他にも分類群の変更で、Plectranthus属やSolenostemon属に分類されたこともありました。そもそも最初には、リンネが1763年にバジルの仲間のOcimum属として記載しています。イギリスのKewガーデンが主宰するPlants of the Wolrd Online (リンク)には、62個の異名が登録されています。
キランジソの花序は茎の先端につきます。花は各節ごとに、数個の花がつく散形花序が輪生状に集まる輪散花序となります。1つの花は長さ1㎝程度で小さいですが、よく見ると花弁の青紫色が美しいものです。花弁は合着して花冠となり、上と下に分かれる2唇形となります。さらに花冠の上唇は2つに分かれ反り返ります。花冠の下唇はボート形をしています。
キランジソはアジアの一部で薬用となっています。インドでは葉の煎汁を消化不良に用います。中国南部では生の葉を毒蛇の咬傷に外用します。