BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

キノエササラン(ラン科)

Liparis bootanensis Griff. var. uchiyamae (Schltr.) S.S.Ying

キノエササラン

キノエササランは奄美大島に固有の着生ランです。奄美大島の生息は現在確認できず、環境省のレッドリスト2017では「野生絶滅(EW)」となっています。栽培はそれほど難しくなく、温室につるしておけば良く育ちます。株分けで順調に増えることから、山野草としてまれに流通します。当資料館のキノエササランは、とある薬用植物園から危険分散のために分けていただいたものです。

当資料館では学名を、YListに従いチケイラン(Liparis bootanensis Griff.)の変種としています。この他に独立の種(L. uchiyamae Schltr.)とする見解や(日本の野生植物など)、Flora of Chinaのようにチケイランと同一とみなす見解もあります。改訂新版日本の野生植物によれば、チケイランとは、「(茎に)葉を2個つけること、茎がほぼ球形であること、蕊柱上部の突起を欠くこと」で区別できます。

キノエササランは上述のように球状の茎の先端近くに2つの葉をつけ、先端から花序をのばします。花の直径は1cmほどの小さな花です。花被片は薄黄緑色ないしは淡橙色です。