BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

カリッサ・エデュリス (カリッサ・スピナルム)(キョウチクトウ科)

Carissa edulis Vahl (Carissa spinarum L.)

カリッサ・エデュリス (カリッサ・スピナルム)

カリッサ・エデュリスは、アフリカ大陸の西部から南部の乾燥した森林や海岸の薮に生える高さ 3 ~ 5m の低木です。カリッサ属はアフリカから東南アジアの熱帯地域におよそ 30 種が知られています。

枝には 1 節ごとに長さ 3cm ほどの小さな葉が 2 つ向かいあってつきます ( 対生 ) 。葉の根元には長さ 2 ~ 3cm ほどの鋭い棘が 2 つまたは 1 つつきますが、面白いことに棘が出てくるのは 1 節おきになります。花は直径 2cm ほどで枝の先に不定期につきます。花の色は白色か赤紫色で、わずかに香りがあります。根にはサリチル酸メチルが含まれており、傷つけると沈痛湿布剤の匂いがします。

カリッサ・エデュリスはアフリカの広い地域で薬用とされます。ギニアでは煮た葉を歯痛治療に、ガーナでは根の皮を他の薬草と混ぜて腰痛に、マサイ族は胃潰瘍治療にそれぞれ利用します。タンザニアでは果実を駆虫に利用します。

種形容語のエデュリス (edulis) は「食べられる」という意味です。果実は熟すと赤くなり甘く、生食されたりジャムなどにされたりします。また、発酵させて酢の原料にもなります。フルーツとして東南アジアで栽培されることもあります。