BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

アジマ・テトラカンタ(サルバドラ科)

Azima tetracantha Lam.

アジマ・テトラカンタ

 

アジマ・テトラカンタはアフリカ東部からインド、ミャンマーにかけて分布するつる性の低木です。サルバドラ科はアフリカからマレーシアの乾燥地に分布する3属11種の小さな科で、低木、中高木またはつる性の低木です。アジマ・テトラカンタの葉は90度ずれて交互に対生する十字対生を示します。葉の根元の2つの托葉が2本の鋭い刺となり1組2枚の葉から合計4本の刺が出ます。種形容語のtetracantha(4つの刺)はこのことに由来します。この刺で茨のように絡まって生育します。因みに、属名Azimaはこの属のマダガスカルの現地名に由来します。

アジマ・テトラカンタの花は葉腋につき、総状花序です。直径2mmくらいの小さな花で緑色の花弁が4枚、雄しべが4つの4数性を示します。果実は淡緑色で直径1cm弱、この記事を書くにあたり文献調査したところ、果実は食べられるとあります。

アジマ・テトラカンタは薬用としても様々に利用されます。東アフリカでは葉や根をヘビの咬傷に用います。インドでは葉や根の煎じ汁をリューマチ、水腫、消化不良、慢性の下痢に用い、産後の活力剤としても利用します。変わったところでは、東アフリカではヤギに食べさせるとミルクやバターにはっきりした香りをつける働きがある、とされています。