BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

アオイツナソ (ケナフ)(アオイ科)

Hibiscus cannabinus L.

アオイツナソ (ケナフ)


植物の話あれこれ 13
木材パルプに代わる?「ケナフ」

昨年秋、当館の近くの畑に写真のような淡い黄色の花をつけた植物が、一面に栽培されているのを見つけた。この近辺で、このような植物が栽培されているのを見たことがなかったので不思議に思い問い合わせると「自然環境保護運動」の一環として栽培生産に取り組んでいるとのことであった。すなわち、この運動は、ケナフから紙を製造することによりパルプ原料樹木の伐採を回避することを狙って展開されている。

ケナフはアフリカ原産のフヨウと同属の植物で、インドなど熱帯から温帯にかけて栽培されている繊維作物で、製紙原料としても利用される。ケナフ1本からハガキなら4~5枚つくれるとのことである。画用紙、名刺などに使うすこし厚めの紙をつくるのに適している。最近、カレンダーにもこの紙が使われていると聞く。

現在、世界の紙消費量は、増大の一途を辿っている。一方、環境破壊を避けるために、世界のパルプ原料樹木の伐採をこれ以上多くすることは避けなければならない。そこで、今、注目されているのが、木材に代わる製紙原料として有望視されているケナフである。ケナフは、その上、樹木より炭酸ガスの吸収力が優れているので、地球の温暖化抑制にも効果 が期待されているとのことである。

ケナフは、高さ2mにもなる直立性の一年草で、播種後4~5ケ月もすると茎が細い丸太くらいの太さになる。この茎を刈り取り、水に10~20日間つけておくと、ジュートに似た繊維をとることができる。繊維はジュートの代用として麻袋や網、ロープなどをつくるのに利用される。また上述のように紙をつくる原料にもなる。種子には20%ほどの油が含まれており食用や灯火用、石鹸などの原料に使われる。その搾りかすも、家畜の飼料として、利用されるそうである。若葉はすこし酸味があり食用にされる。成葉には緩下作用があり薬用に使われる。インドでは、花の搾り汁を胆汁の分泌異常を調節する薬として使う。このようにケナフは、非常に有用性の高い植物である。しかも、大型のきれいな花を、いっぱい着ける。

(「プランタ」研成社発行より)