BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ヘビウリ(ウリ科)

Trichosanthes anguina L.

ヘビウリ

<果実は細長く2mをこすこともある。未熟果は食用にできる。>

ヘチマやヒョウタンなどのウリ科の植物は、面白い形の果実をならすので、夏休みともなると子供たちに人気の植物になります。育て方や、ヘチマのスポンジ作りなど自由研究の材料にする方もあるかもしれません。植物園でもいろいろな形の果実をつけるウリ科植物を集めた棚を作ってある所もよく見受けられます。
その中で、ヘビウリ(Trichosanthes anguina)はその名前の通り、蛇のように細長い果実をつける熱帯アジア・インド原産のウリ科の一年草です。雌雄同株のつる性の植物で、夏に写真のような白いレース状になった径3~5cmほどの美しい花をつけます。花は腋生で雄花は房状につき、雌花は単生します。
果実はぐんぐん伸びて太さ5cm以上、長さが2mを超すこともあり、くねくねうねって蛇のような見ごたえのある果実になります。放っておくととぐろを巻くことも多いので、まっすぐにするため、果実のしっぽに重しをぶら下げておく場合もままあるそうです。
日本ではもっぱら鑑賞用に植えられていますが、熱帯アジアでは古くから食用として栽培されています。果実は熟すと赤くなって繊維質が多くなり苦みが強くなるので、食べにくくなりますが、赤くなる前の未熟果はカレーの材料などとして煮食されます。
植物学的にはヘチマやキュウリとは異なり、カラスウリ属に属する植物で、栽培もわりに簡単に出来ます。
中国では、果実を切片にして乾燥した生薬を薬用とし、咳嗽、便秘、化膿したできもの・腫れものに利用することが知られています。