BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

サチャインチ(トウダイグサ科)

Plukenetia volubilis L.

サチャインチ

サチャインチはペルー、ボリビア~ブラジルの南アメリカ中、北部に分布する
やや大型のつる植物です。このサチャインチはペルーでの呼び名「Sacha Inchi」に由来します。他にも英語の「Inca nut(インカナッツ)」や「Inca Peanut」の呼び方が知られています。ナッツと呼ばれるように現地では種子を炒って食用とし、また若葉も加熱して野菜として利用してきました。20年位前から種子を絞って得られるオイルにオメガ3脂肪酸が豊富なことで知られるようになりました。

サチャインチの葉は互生し、長さ10cm、幅5cmほどの心形で、葉身付け根に2つの腺点があります。比較的先端に近い葉脇に1つの花序をつけます。花序の根元の1~2個が雌花で、他は雄花です。雌花は柱頭ばかりが目立ち長さ3cmくらいで基部が膨らみます。雄花は直径5mmくらいで5枚の萼を持ち、多数の葯をつけます。結実すると個体によって4~7角形の不思議な形に実ります。果実の直径は5cmくらいで、表皮が乾燥してひび割れた頃に収穫します。種子は角に1つずつ入っており褐色で、直径1.5cmほどの円盤形です。

当館では今のところ狭い養生温室で栽培していますが、自家不和合ではなく1本で結実し、果実の形が面白いので鑑賞温室で展示しようと考えています。