アカバヤトロパは熱帯アメリカ原産の高さ1mになる低木です。種子から油を取るナンヨウアブラギリ( Jatropha curcas )や観賞植物のサンゴアブラギリ( J. podagrica )と同じ仲間です。若いときの葉は光沢のある暗赤色をしています。3裂から5裂する葉はワタの葉に形が似ていて、 ”gossypifolia” (ワタのような葉の)という学名はこの特徴に因んでいます。花は鮮やかな赤色をしています。
美しい赤色の花を楽しむために観賞用として栽培したり、生垣として利用することもあり、アジア・アフリカの熱帯地方では野生化しています。原産地では伝統的な薬用植物として広く利用されています。葉や茎を便秘、胃潰瘍、泌尿器系の病気などに用います。
アカバヤトロパの種子には油が約40%含まれています。この油は ”hell oil” (地獄の油)と呼ばれ、強い催吐作用、峻下作用があります。種子にはクルシン(curcin)と呼ばれる峻下作用をもつ有毒タンパク質が含まれています。