ヘバンテ・エリアンタは一般にはパフィア・パニクラタ(Pfaffia paniculata (Mart.) Kuntze)として知られる木性のよじのぼり形植物で、南米に広く分布します。日本ではブラジルニンジン(Brazilian Ginseng)あるいはスマ(Suma)の名前でサプリメントが販売されています。
ヘバンテ・エリアンタは高さ1mほどに育ち、細い茎が周りにもたれかかり、あるいは絡まって上へと育ちます。披針形の葉は長さ数cm~10cmです。個体差が大きく全体に細毛があるものや無毛のものがあります。花は枝先に付き、円錐形ないしは球形の穂状花序で、花序の大きさはおよそ直径1cmです。1つの花は長さ1mmに満たない小さなものです。花弁は5枚、クローズアップ撮影をしていて気が付きましたが、雄しべが先に開き、後に脱落して雌しべだけになる雄性先熟のようです。
ヘバンテ・エリアンタの根は肥大し、チョウセンニンジンのようなゴボウ根となります。この根はブラジルで薬用とされ、ブラジルニンジンという呼び方もこのことに由来します。成分としてパファフ酸(pfaffic acid)、パッフォシド(pfaffoside)A~F等を含み、ブラジルでは広く強壮に用いるとされます。現在では、はじめに書いたようにサプリメントの原料として世界中で利用されています。