カルダモンとよばれるスパイスは、ショウズクという植物から得られます。ショウズクは南西インド原産の植物で、今では東南アジアで広く栽培されています。草丈は 2 m 以上になり、偽茎の根元から、長さ 50 ~ 120 cm の花茎を出します。花の後には長さ 2 cm ほどの果実ができます。
この果実を乾燥させたものが、スパイスのカルダモンとして流通しています。果実の中には 15 ~ 20 個の黒い種子が入っています。この種子は樟脳に似た鋭い芳香をもち、スパイスとしてカレー原料や、様々な料理に使用されます。インドではチャイとよばれる紅茶にいれます。
アラブ諸国、特にサウジアラビアではカルダモンをコーヒーに入れて飲む習慣があります。日中の温度が 50 ℃を超えることもあるこの国では、カルダモンが体を冷やす効果があると信じられ、根強い人気があるそうです。種子を噛んだとき、口の中に広がる清涼感が、このように感じさせるのかもしれません。<
当館では、今年(2007年)の夏、ショウズクの花が咲きました。この植物はもともと林床に生えるため、栽培でも庇陰樹の下に植えられます。しかしながら、あまり日陰にすると花茎が出にくくなるようです。