スクテラリア・バルバタは中国の中部~南部に分布する小型の多年草です。タツナミソウ(Scutellaria indica L.)と同じ属で、花の形も似ています。タツナミソウは葉が丸く鋸歯があり、地を這うように育つのに対して、スクテラリア・バルバタは葉は細長く鋸歯があり、茎の下部が横に這った後に高く立ち上がります。
スクテラリア・バルバタは草丈30cmほどになり、先端に花序をつけます。タツナミソウと同じように1段に2つずつ並んだ花は一方向を向きます。花色は青です。花後の萼はふくらみ、よく見るとかわいらしい形をしています。果実はシソ科らしく4分果であり、大変小さなものです。
スクテラリア・バルバタは地下茎と種子の両方でよく増え、1株から数年で直径1mほどの花畑となりました。中国では半枝莲(蓮) ban zhi lianと呼びます。開花時の全草を生薬として利用し、消炎や止血、腫れを直すのに用います。食道癌、子宮癌、肺癌の治療にも使われます。『中薬大辞典』によれば、食道癌や肺癌の患者に煎じ薬を服用させたところ、一定の効果があったということですが、根治の効果は見られなかったということです。過度の期待は禁物です。