BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

カシューナットノキ(ウルシ科)

Anacardium occidentale L.

カシューナットノキ


植物の話あれこれ 12
勾玉の木「カシューナットノキ」

別名で「マガタマノキ(勾玉の木)」と呼ばれているこの樹に、写真のような果実が、今年は、81個も着いた。

この植物は、1985年1月にインドネシアのボゴール植物園から種子で導入し、播種・育苗後、大温室で栽培・維持してきた。そして、1996年、播種後11年目にして、初めて、開花・結実した。今年は、昨年施した環状剥皮処理の効果 によると思われるが、特に多く着果した。

本植物は熱帯アメリカの常緑果樹で、現在は広く世界の熱帯地域で栽培されている。学名(属名)のAnacardiumは、ギリシャ語のana(似る)とkardia(心臓の)からなり、果実の形に因んで名付けられたと言われている。

果実が着くと、花柄部が肥大し、長さ5cm程の橙黄色の西洋ナシ形になり、こちらが果実のように見えてくる。この花柄が熟したものは、甘酸っぱいリンゴのような香りがするためカシューアップル(Cashew apple)と呼ばれている。このカシューアップルの先端に長さ3cm程の腎臓形をした黒灰色の果実が着く。果実には勾玉状の仁が含まれている。これをカシューナッツ(Cashew nut)と呼んでいる。この仁を炒ったものが、ビールのツマミや、菓子類に利用されている。

仁を包む硬い殻にはアナカルディア酸を主成分とする刺激性の油が含まれている。この油は粘性のある乾性油で、耐水性の塗料に利用される。その他、白アリなどの防虫剤や防腐剤などに利用される。

カシューアップルは多汁で酸味と多少の渋味がある。また、ビタミンCを多く含むことが知られている。生食するほか、焼いて食べる。またジャムを造ったり、発酵させてワインとして利用したりする。

(「プランタ」研成社発行より)