BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ワタスギギク(キク科)

Santolina chamaecyparissus L.

ワタスギギク

「ラベンダー・コットンとも呼ばれる芳香を持つキク科常緑低木。」

英語でサントリーナ、あるいはラベンダー・コットン(Lavender cotton)・またはコットン・ラベンダーとも呼ばれるワタスギギクは、茎葉だけをみると英名の通り、ラベンダーの一種で葉がギザギザの歯状になっているLavandula dentataを思わせる佇まいを持っています。しかしキク科の多年性の常緑低木で、葉にはカミツレを思わせる特異な芳香があります。
地中海沿岸地方に見られ、日がよく当たり、水はけのよい場所を好み、草丈は20~50cmほどになります。よく分枝し、夏には写真のように枝先に鮮やかな黄色い頭花をたくさんつけます。
比較的早くから観葉植物として栽培され、Santolina属の中では最も広く栽培される種です。
1%ほどの精油を含み、その主成分はアルテミシアケトン(Artemisiaketon)、ミルセン(Myrcene)やアルファ・ピネン(α-pinene)で、精油のほかにアルカロイドも含まれていることが知られます。
精油は香水原料になりますが商業的には利用されていないようで、乾燥葉はポプリなどに利用されています。
また葉や花のついた茎を含む地上部は、消炎、消化管機能不全、月経困難症、条虫などの寄生虫駆除などに利用されてきたことが知られています。