BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ヘンカクボク(バラ科)

Prinsepia uniflora Batalin

ヘンカクボク

ヘンカクボクは中国の南西~西部に分布するバラ科の低木です。Prinsepia属はヒマラヤから中国、台湾に3~4種分布します。どれも枝に刺が あります。属名の「Prinsepia」は19世紀の気象学者James Prinsep (または植物学者のMacaire Prinsep)に因むとされます。種形容語の「uniflora」は「花が一つ」という意味で、同属植物が総状花序になるのに対して単一の花をつけること に由来します。和名の「ヘンカクボク(扁核木)」は中国名の音読みですが、Prinsepia utilisも扁核木と呼びます。区別する時には今回紹介するPrinsepia unifloraの方を「単花扁核木」と呼びます。

ヘンカクボクの花は、葉と同時期かやや早くに開きます。直径は1.5cmほどで花弁は白色で5枚です。開いてすぐは平らですが、2、3日たつと後ろへ反り返ります。雄しべは10本、雌しべは1本です。

果実は黒色で食べられます。果肉を除いた果核を「蕤核(ズイカク)」、果核の殻を割って取り出した種子を「蕤仁(ズイジン)」と呼びます。蕤仁は眼病の要薬とされ、目の腫れや目脂、涙目などに用います。