BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

フラゲラリア・グイネエンシス(トウツルモドキ科)

Flagellaria guineensis Schumach.

フラゲラリア・グイネエンシス

フラゲラリア・グイネエンシスは、種形容語が「guineensis(ギニアの)」であるようにギニア共和国を含む東西アフリカから南アフリカの熱帯に分布するつる性の多年草です。トウツルモドキ科はFlagellaria属だけからなり4種がアフリカ、インドからマレーシアおよびオーストラリア北東部、東アジアの南部に分布します。日本には、小笠原諸島の父島、南西諸島から鹿児島県の徳之島に分布するトウツルモドキ(F. indica)があります。因みに、属名「Flagellaria」は鞭状のという意味でこの属の特徴をよく表しています。

フラゲラリア・グイネエンシスの茎は当館の場合、一緒に植えているキンマ(Piper betle)に隠れてよくわかりませんが2~3mくらいは伸びます。茎は葉鞘に覆われており表面は蝋様の物質で白色になります。葉の先端はくるくると巻いて巻きひげ状になり、他のものに絡みつきます。茎の先端には円錐花序が付きます。花には小花柄がなく枝分かれした花柄にぎっしりと並びます。一つ一つの花は直径5mmくらいで小さく、6個の雄しべ以外は目立ちません。

フラゲラリア・グイネエンシスは様々に利用されており、タンガニーカ湖周辺では茎を漁網にしたり、果実を性病に外用したりするほか、皮膚の炎症につぶした果実を湿布します。また植物体も皮膚病などに用いられます。変わったところでは、茎を雨乞いの儀式に用いるということです。