BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

ガンピ(ジンチョウゲ科)

Diplomorpha sikokiana (Franch. et Sav.) Honda

ガンピ

ガンピは本州の静岡県および石川県以南、四国、九州の開けた、主に蛇紋岩の岩場に分布する日本固有の低木です。属名Diplomorphaは「diplo(二重の)+morpha(形)」で、枝の分岐に由来するものです。しかし、ミツマタがほぼ必ず三つ叉になって特徴的であるのに比べると、ガンピの二叉は他の樹木にも見られるので際だった特徴ではないように思います。

ガンピの若枝、葉、花には柔らかい毛があります。葉は互生し長さ2から5cmの卵形です。春に前年枝の少し下から枝を伸ばし(前年枝の先端は枯れます)、伸びた枝の先端に花を付けます。頭状花序は数花から十数花になり花には花弁はなく、淡緑色の萼の先は4裂します。花序の直径は約3cmです。葉に隠れてうつむいて咲くので、上から見ると地味ですが、下から花の中をのぞき込むと橙色の雄しべが鮮やかで、美しい花です。

ガンピの樹皮繊維は強靱で雁皮紙と呼ばれる和紙の原料となることで有名です。一般に栽培は難しいとされ、多くは野生品が利用されます。当館の栽培株は滋賀県内で採集した枝を譲り受け、挿し木して得たものですが、外へ出す勇気がないまま6年間ずっとミスト装置(定期的に霧を散布する装置)の中に置いています。もう少し個体数を増やしたら、外での栽培を試みたいものです。