大植物分類学者リンネは、この植物の花の形が女性の性器(clitoris)に似ていることから、学名(属名)をClitoriaと命名した。
この植物の和名「チョウマメ(蝶豆)」は、青色の大きな花が蝶に似ていることにちなんで名付けられた。英名でもButterfly peaと呼ばれている。
この植物の葉は、飼料に用いられる。花は濃い輝くような青色で青色の染料やリトマス試験紙の代わりに用いられる。アムボイナ(Amboina;インドネシア領Molucca諸島の中の島)では炊いたコメを薄く青色に染めるのにこの植物の花を用いる。豆果の未熟なものは、サヤインゲンなどと同様に野菜として食用にされる。根は強力な下剤として用いられる。スーダン(Sudan)では、種子を下剤に用いる。また、インドでは、根および葉を利尿剤や催吐剤として用いる。
本植物は熱帯アジア原産と考えられるつる性の草本で、現在では熱帯・亜熱帯地域に広く野生化している。また飼料用などのために栽培もされている。(「プランタ」研成社発行より)