BOTANICAL

植物紹介
植物紹介

チョウジノキ(フトモモ科)

Syzygium aromaticum (L.) Merr. et L.M.Perry

チョウジノキ

「丁字の木」というより、「クローブの木」と呼んだ方がわかりやすいかもしれません。インドネシア東部のモルッカ諸島の原産の常緑高木で、熱帯の各地で栽培されています。当館の温室では毎年蕾が付き開花します。開花する前の蕾を乾燥したものがスパイスの「丁字」(丁香、クローブ)です。その形が釘に似ていて、英名のcloveはフランス語のclou(釘)に由来するといわれています。一方、日本名の「丁字」は蕾の形が「丁」という漢字に似ていることに由来するといわれています。

チョウジは紀元前からインド、中国で利用されていた記録があり、日本でも正倉院の宝物の一つとして残されています。古くはアラビア地方で媚薬として使用され、中国では皇帝に謁見する際の口臭消しに口に含んだといわれています。大航海時代にはコショウ・ニクズクなどとともにチョウジを求めてヨーロッパの船団が熱帯アジアに送りこまれました。

現在ではスパイスとして利用するほか、薬用として芳香性健胃薬、口腔用抗菌薬に利用します。また、香辛料の中では防腐・殺菌力が強く、食品の保存・味付けに適しています。他にも香料として香水・歯磨き粉・化粧品に使用したり、日本刀の錆止めに用いるなど広く利用されています。